この春、電子書籍リーダーのKindle を購入して以来、
小説やエッセイはもっぱらそれになっていたのですが、
仕事で資料になるような洋書や写真集はそうもいきません。
当アトリエ近所ということもあり、代官山蔦屋書店はそういう探し物にはぴったり、
おかげで青山や渋谷の洋書屋さんにはとんと行かなくなりました。
さて昨日、春夏企画真っ最中の気分転換もかねてその蔦屋書店へ。
そこで思いがけず、写真集や資料集ではなく一冊のエッセイを購入しました。
加藤和彦さんのエッセイ集です。
2009年に故人となられた加藤さん、帯には最後のエッセイ集とありました。
昨日夕方に購入し、アトリエで最初だけのつもりで読みだしたのですが、
あまりの面白さに最後まで読んでしまいました。
20代後半~30代初めまで、英国のクラシックなスーツスタイルに傾倒していた自分にとって
英国スタイルの加藤和彦さんは憧れの人でした。
一見普通に見えるネイビースーツを着られているだけなのに恐ろしくカッコよい。
やっぱり身長があるから?手足が長いから?????
いやいや、、、そんな単純なことではなく、
そこには加藤さんの極めた奥深い流儀があったからなんだと改めて認識しました。
英国的流儀、、エレガンスという概念、、、。
この概念こそが服を着こなす上での究極の帰結であると言い切る加藤さんは、
かのウインザー公を評してエレガンスな感じがしないと切り捨てる。
ウインザー公を見てエレガンスというものが逆説的にわかると・・・・。
(加藤さんはそのウインザー公も研究し、ほとんどのワードローブを把握していたそうです。)
我慢がない・・・。
そうエレガンスとは我慢の美学。
正直、流行を多少意識した既製服を作っている自分には耳の痛い箇所も多々ありましたが、
目からうろこのエピソードだったりがいっぱいのためになる一冊。
男の立ち振る舞いとはなんぞや???など
いろいろ考えさせられました。
やっぱり長く生きてもらってもっとこういうエッセイ読みたかった。
お勧めです。
- 2013/07/23(火) 13:01:07|
- 四方山話
-
| トラックバック:0
-